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2024年1月5日

出遇いの連続~正信偈より

「本師曇鸞和尚は 菩提流支のおしえにて 仙経ながくやきすてて 浄土に深く帰せしめき」

親鸞聖人『高僧和讃』より

 今から約1500年前、七高僧のおひとり中国の曇鸞大師は仏教を始めたくさんの研究をされていました。 病を機に曇鸞は長生きを願い、道教の陶(とう)弘(こう)景(けい)より不老長生の法を学び、仙人経十巻を授けられました。 洛陽で菩提流支三蔵に出遇った曇鸞は、「仏教に道教に説く不老長寿の教えより優れた法はあるのか」と尋ねました。菩提流支は唾を吐き、限りなき命を頂く法が説かれている『観無量寿経』を渡しました。曇鸞は仙人経を焼き捨て、浄土教に帰依されました。

 コロナ禍で一年延期し、2021年より4年間にわたり分散開催してまいりました寳田院法灯継承記念法要もいよいよ最終年の結願法要をお迎えする年となりました。700年受け伝えられた法には歴代の有縁同朋の御先達方の御苦労のお陰があります。 巻頭の和讃は親鸞聖人の『正信念仏偈』では「三蔵流支授浄教 焚焼仙経帰楽邦」と説かれています。曇鸞大師は菩提流支との値遇により、浄土の教えに導かれました。 しかし、この流れはそこで終わりません。浄土の教えを明らかにされ曇鸞の功績は没後、玄忠寺の碑文に刻まれましたが、その碑文に感銘を受けた道綽禅師は阿弥陀如来のみ教えに深く入られました。善導大師は道綽より直接教えを受け、仏の正意を明らかにされました。「善導独明仏正意」そして、親鸞聖人の元へとしっかり受け継がれます。
 親鸞聖人は受け伝えられた浄土の教えが間違いなく私の手元に届いたという喜びを『正信偈』の中に書き表されました。明光上人は、親鸞聖人のその喜びの言葉を声に出して勤めることを勧められました。                                     合掌

2024.1.5 「寺報『光明』2024新春号より」

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